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「ん…」 女が寝るのを見届けると、俺はシャワーを浴び、鞄から新しいワイシャツを取り出し、身に纏う。 そして、ジャケットの内ポケットから煙草を取り出すとライターで手早く火をつけ、咥える。 「帰るか…」 俺はベッドで気持ちよさそうに眠る女に背を向け、部屋を後にした。 俺、宝生 伊織(ほうじょう いおり)は、数時間前まで都内のコンサートホールでピアノリサイタルを行なっていた。 そしてそのままこの高級ホテルの一室で火照ったカラダを鎮めたってワケ。
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