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美緒の『フリーターは殆んど暇人』発言に、殺意を覚えた私。
「え?なに?あんた私を職種差別して見下してる?フリーターはアルバイトで支えられてる職場の頂点に君臨する、一番社員にとって、ありがたいポジションよ?わかってんの?」
私の発言に全力で無視をした美緒は、しくしく泣きながら、また私の背中に乗っかって美緒は話し出した。
「明日は無理なの~…明日からマーくんと二泊三日の『イチャコラ温泉旅行』に行っちゃうから、お見合い出来ないの~、お姉ちゃん代わりに行ってよ~、行って先生に、『妹には心に決めた人が居ますから、諦めてください!』って、言ってきてよぉ!」
私は心から嫌な表情をして、美緒に言った。
「なんで私が……妹のストーカーじみた先生に会いに行って断んなきゃならないのよ…自分で断りなさい」
「可愛い妹を守る為に、行ってきてよ~!顔もイケメンで金持ちだよ?お姉ちゃん、好みの顔立ちしてるよ?何回かメンズ雑誌に載ったことあるみたいだし?」
「そこまでイケメンだったら、あんたが行けばいいじゃん!マーくんと別れて先生と、幸せになれば?」
なかば投げやりに美緒に言い放った私。
「……生理的に無理……性格が……私には合わない!!」
「そんな性格悪い奴の所にお見合い行けって言う、あんたも悪魔ですね」
私が呆れ気味に言うと、美緒は私を背中から覆い被さるように抱き付いていた、お願いしてきた。
「ねえ、お願い!美緒、お姉ちゃんの為にお土産沢山買ってくるから、代わりにお見合い行って?んで、美緒に言い寄らないで!って言ってきてよー」
「ヤダ」
「なら、お姉ちゃんが大好きなモデルの『新庄 レイト』君のサイン、マーくんに頼んで貰ってあげるから!」
私は目を見開き、力強く返事をした。
「行く!!行く行くっ!!あんたの彼氏のマーくんモデルだったわね!!喜んであんたの代わり引き受けるっ!!」
私は身体を起こして、背中に抱き付いていた美緒を振り落とし、ベッドに尻もちをついている美緒の手を両手で握って、目を輝かせて言った。
「きゃー!お姉ちゃん、ありがとう!先生に二度と妹に言い寄らないで!って、言ってきて!?」
美緒は喜んで私の手を握り返してきた。
「よっしゃー!レイトくんのサインの為に頑張るぞーっ!!」
私はベッドの上で気合いを入れていた。
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