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次の日ーー
私の家から電車を乗り継ぐこと一時間。
美緒と途中で別れ、私は美緒が言っていたお見合い開場の帝国ホテルの扉の前に立っていた。
時間は11時から。
丁度10分前に着いた。
「よしっ!!美緒が言っていた事を言って、さっさと終わらせて、一人都内観光するぞーっ!!」
静かに心の中で気合いを入れて、両手に力を込めた。
私はバイト先に連絡を入れて『風邪引いたので休みます』と、連絡をいれた。
美緒が今日から彼氏のマーくんと一緒に旅行に行くことを知らないお母さん達には、『美緒がお見合い終わったら、私と二人で都内観光して、向こうで泊まって帰るね~』と話して、私達はそれぞれキャリーバックを引っ張り、二人で一緒に家を出たのだった。
私は白色のスーツに金色の細いネックレスを身に付け
て、腰まである薄茶色の長い髪は、美緒に可愛く束ねてもらった。
一応、ホテルに入る前に、髪や身なりを再確認して、私は一歩足を踏み出した。
自動ドアが開き、ホテルに中へ入ると、そこはまるで何処かのお城の様だった。
「ふえ~…広い……部屋がどこか分かんないじゃん…」
私は辺りをキョロキョロして、『館内の案内』と書いてある掲示板を見たが、よくわからなかったので、私はホテルのフロントに足を運び、城崎さんって先生が居る部屋の場所を聞いた。
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