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「おい……ふざけんなよ……」
城崎さんの顔が、私の顔に息がかかるくらい近くにあって、ものすごいドスの利いた低い声に、私の顔は青ざめて、全身が震えだした。
「あんた、姉って言ったな?いいか、最初に言い寄ってきたのは、あんたの妹だ!彼氏と別れたと泣いて抱きついてきた!俺と付き合うって言ってて、結婚するって言ってきた!暫く付き合ってたら、急に『元カレと寄り戻すから、貴方と別れる』だと!?いくらアイツに貢いだと思ってるっ!1ヶ月で500万円使わされたぞっ!利子付けてテメーが返せっ!」
「しっ、知らないわよっ!大体なんで私が、あんたが好きで妹に貢いだお金を返さなくちゃならないのよっ!!妹、昔からモテてたし、バカみたいにあんたが引っ掛かるのがいけないんじゃないのっ!?てか、1ヶ月で500万貢ぎすぎだからっ!!」
初対面なのに『バカ』と言ってしまった……。
「俺は本気で美緒と結婚考えてた!!でも、話す機会も与えてくれず、無理矢理だったが、両親にお見合いしたいと言ったら、嫌でも来て美緒と話が出来ると思ったら、こーんな『特に可愛くない姉』を寄越しやがって!貴様らどんな教育したら、あんな小悪魔育てられんだ!貴様の妹はただの『ビッチ』なのかっ!?」
『特に可愛くない姉』と、妹を『ビッチ』と罵った言葉に、私はキレた。
パァァンッ!!
それは、部屋中に響き渡る位に渾身の力を込めて、私は城崎さんの頬を叩いた。
「…………」
黙り込み、私に叩かれて顔を下に向けたまま固まる城崎さんに、私は怒りに震え上がって言い放った。
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