相手

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「確かに、妹にも悪い所はあったかもしれないけど、『ビッチ』なんて酷い言い方しないで!!それに、あんたに言われなくても、私は自分が妹と違って特に可愛くない事自覚しとるわっボケッ!余計なお世話だっ!」 私は感情が高ぶってしまい、ポロポロと泣き出してしまった。 「大体ね、騙されるあんたも悪いのよ!1ヶ月で500万円簡単に貢いでんじゃないわよ!!『金は天下の回りもの』って言葉知らないのっ!?外科医なら簡単にまた稼げるお金でしょ!私はフリーターだから、500万なんてお金、返せるわけないじゃん!てか、返せんっ!」 私は両手に握りこぶしをつくって言い放った。 「ハイスペックで顔イイ男が、金と女に何時までも執着してんじゃないわよっ!顔上げて前向いて、次は自分を幸せにしてくれそうな女、見つけなさいよ!」 城崎さんは私が叩いた頬を手で抑えながら、ゆっくりと顔を上げた。 「……ぃってぇな……」 「はっ!!」 私は城崎さんの顔を見て、両手を口にあてて青ざめた。 つぅーー…… 城崎さんの口角から、赤い鮮血が細く糸を描くように流れ出て、シャープな顎の先端から一滴床に向かって垂れ落ちた。 「あわわわーっ!きぁぁっ!どうしよっ!ごめんなさい!力いっぱい叩き過ぎちゃいましたっ!!」 私は持っていたバッグの口を開いて、ガサガサとバッグの中のどこかにあるハンカチを探した。
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