392人が本棚に入れています
本棚に追加
「確かに、妹にも悪い所はあったかもしれないけど、『ビッチ』なんて酷い言い方しないで!!それに、あんたに言われなくても、私は自分が妹と違って特に可愛くない事自覚しとるわっボケッ!余計なお世話だっ!」
私は感情が高ぶってしまい、ポロポロと泣き出してしまった。
「大体ね、騙されるあんたも悪いのよ!1ヶ月で500万円簡単に貢いでんじゃないわよ!!『金は天下の回りもの』って言葉知らないのっ!?外科医なら簡単にまた稼げるお金でしょ!私はフリーターだから、500万なんてお金、返せるわけないじゃん!てか、返せんっ!」
私は両手に握りこぶしをつくって言い放った。
「ハイスペックで顔イイ男が、金と女に何時までも執着してんじゃないわよっ!顔上げて前向いて、次は自分を幸せにしてくれそうな女、見つけなさいよ!」
城崎さんは私が叩いた頬を手で抑えながら、ゆっくりと顔を上げた。
「……ぃってぇな……」
「はっ!!」
私は城崎さんの顔を見て、両手を口にあてて青ざめた。
つぅーー……
城崎さんの口角から、赤い鮮血が細く糸を描くように流れ出て、シャープな顎の先端から一滴床に向かって垂れ落ちた。
「あわわわーっ!きぁぁっ!どうしよっ!ごめんなさい!力いっぱい叩き過ぎちゃいましたっ!!」
私は持っていたバッグの口を開いて、ガサガサとバッグの中のどこかにあるハンカチを探した。
最初のコメントを投稿しよう!