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「なんだ? 他人に聞かれちゃあ拙い案件でもあったっけか?」
首をひねると、遼は「まったく、もう!」と天を仰いだ。
「仕事じゃあないですよ。僕は、ほづみさんといちゃいちゃしたいなって、言いたいんです。クリスマス商戦で忙しすぎて、全然、プライベートな時間が取れていないでしょ?」
デザイナーのほづみはオフィスに入り浸りだが、マーチャンダイザーの遼は商品のプロデュースのためにあっちへいったりこっちへ行ったりと忙しい。
「頑張って、直帰せずにオフィスに帰還しているっていうのに、ほづみさんときたらさっさと帰ってしまいますし! せめて、夕飯くらいはご一緒してください」
「俺は寝たい。以上だ」
ソファに寝そべって、ほづみは目蓋を閉じた。
夢の中で寝るなんて馬鹿げているが、いちいち遼に付き合っていると体が持たない。
気持ちや感性は若くとも、肉体はごまかしの利かないアラフォーなのだ。おまけに、お互いのプライベート時間を気にする関係ではない。
会社の同僚で、それ以上でも以下でもない。
「だめですから! 後で怒られたって構わない覚悟でお呼びしたんですから」
「怒らないから、寝かせてくれ」
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