13万と4000億時間のハネムーン

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「おや? 急に話が変わったね」 「あなたがここにいるという事が、とても酔狂な行動だと言っているのです」 「これからのあの星に、宇宙船のような技術を残してしまうのは危険だと。そう言ったのは、EVE、君じゃないか」 「それはそうです。あの星は今、言うなれば先史時代です。あなたが死んだ後に、誰も理解できない技術の塊が残ってはいけませんし、何万年も後の彼らが、土の中から私を発掘してしまうような事態は回避すべきと判断します」 「それは……ある種の親心のようにも思えるね」 笑いながら語るアダムに、EVEは少しの間沈黙した。 「……親心ですか……。あなたが言うのなら、そうなのかもしれないですが、アダム……どちらにしても。私は、あなたが死んだ後には、自律航行であの星を去るつもりでした。つまり、あなたが今、ここにいる必要はなかったと、そう言っているのです。アダム」 「君もさっき言ったじゃないか。文明というのは人が担うんだ。こんな船を作ったほどの文明も、その記憶を持った人間が僕だけでは、技術も知識も伝えられない。当初の目的とはだいぶ結果が変わってしまったけれど、人という種をこの星に残せただけで良しとしなくてはね」     
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