22 愛の巣

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「ムガー、モガー!」 「それに、『帰れ』だと?  この俺に向かって。ショックで一瞬死にそうになったじゃねえか」 「ム、ぐ…?」  抵抗の力が弱まって、ラルスはヴィヴィの拘束を解いた。  ベッドに腰を下ろすと、ヴィヴィアンの向きをクルリと変え、向かい合わせに座らせる。 「泣いていたのか?目の周りが真っ赤だぞ」  頬を掌で包みこむ。濡れたように揺れる瞳は、彼こそ泣いているようだ。   ヴィヴィは素直に頷いた。 「どうした、一体何があった」  ラルスに優しく頭を撫でられ、ヴィヴィは子どもみたいな泣きべそをかきはじめた。  ラルス様は、ズルい。  怒ったかと思ったら、すぐに優しい顔をしてみせる。こんな時に優しくされると、枯れたと思っていた涙が、再び溢れ出す。  ヴィヴィは辿々しく話し出した。
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