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「包帯がとれて…嬉しくて」
「今日か、良かったじゃないか。それから?」
「お風呂、入ろうと思ったの。
キレイにしたくって。その…全部汚なくなってて。痩せて、髪もボサボサだったから。
そこにね、大きな鏡があったの」
「そんなことないのに。
ちゃんと毎日、拭いてもらっていただろ?」
ヴィヴィは首を横に振った。
ポロポロと涙がこぼれ落ちる。
「傷が…肩の傷。思ったよりも深くて…凄くて…
怖くて」
ヴィヴィはぎゅっと唇を噛んだ。
自分を守るように腕を回す。
「ショックを受けたか…」
ラルスは眉をしかめると、その腕をそっと剥がして手の甲を撫でた。
彼の瞳は、まだヴィヴィをじっと見つめている。
いつもそうだ。
彼の目は、ヴィヴィの心を全て見透かしているかのようで。
しまいには全部丸裸にされてしまう。
「ラ…ルス様が、私にキスしてくれなくなったのは…ひくっ。そのせいなんだって思ったの。
ラルス様が、私のことずっと避けてるのは私の__!」
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