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真っ赤になって、ともすればまた泣き出してしまいそうなヴィヴィ。いつまでも言葉が出せないでいる彼女に、ラルスはクスッと微笑した。
ゆっくりと立ち上がると、
「ヴィヴィアン、手を」
彼女の左手を取りながら、再び彼女にひざまづく。それから彼は、懐からキラリと光るものを取り出した。
「ヴィヴィアン・ローゼンハイム
貴女にもう一度、伺います。
受け取って貰えますか?
私からの__
愛を」
「は…い」
小さいけれど、はっきりした返事。
それを聞いて、彼はヴィヴィの薬指に、金と銀、2つの色の指輪を嵌め込んだ。
「これって、ギメル…リング?」
「本当は、だいぶ前に作らせてたんだけど…ずっと持ち歩きっぱなしだった。
もしよかったら、君からも俺に」
ラルスは彼女の手に、同じデザインの大きめの指輪を握らせた。ヴィヴィアンは、スッとベッドから降りると、ラルスの前に両膝をついた。
震える手で彼の左手を握り、もう片方の手で薬指にそれを嵌める。互いの手を左右に並べて、ヴィヴィは嬉しそうに微笑んだ。
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