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と、
「ヴィヴィ!」
「きゃっ」
ラルスはまた、彼女を強く抱き締めた。
「ゴメンなヴィヴィ、すまなかった。
あの傷をやったのは俺なんだ。矢に毒が塗られていて、そうせざるを得なかった。もう少し上手にできていたら」
「ううん、ううん。私、もう気にしてない。ラルス様が私を助けてくれたんだもの」
ヴィヴィアンもまた、彼を強く抱き締め返す。
「ヴィヴィ、ヴィヴィ。
王妃から赦しが出たんだ。
二人で君の故郷を取り戻そう。あの憎たらしいダレンの叔父貴から。そのついでに、あのフーリエの野郎もぶちのめす」
「うん、うん。
ラルス様はきっと、そう言ってくれると思ってた」
「子どももたくさん作ろうな?ヴィヴィの周りが、いつも賑やかであるように」
「うん。ラルス様が子守り上手なの、知ってるものね」
「何だとコラ」
それからも、二人は抱きしめ合いながら、幸福な未来の夢を語り合った。
「ヴィヴィ、ヴィヴィアン。
__キスをしても?」
「_ん」
瞳を閉じたヴィヴィアンの震える睫毛に、ラルスは軽く口づけた。
それから__
「ヴィヴィアン、君が好きだよ、永遠に」
柔らかく弾力に満ちた唇を、強く激しく奪っていった。二人は重なり合いながら、互いに激しく求め合う。
金と銀、重ねてぴったり合わさる指輪、今流行のギメルリング。
あたかもその、二人の約束の指輪のように。
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