熱き日の思い出

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  つくつくほうしが鳴き始め幾分過ごしやすくなった日の午後、幸多は自宅のパソコンとにらめっこをしていた。 「うぁ~思い浮かばない!!」 過ごしやすくなったとはいえまだ9月。 幸多の自宅には涼を取るための扇風機しか設置されていないのだった。 幸多はパソコンに向かい原稿を書いていた。 いや行き詰まっていたのだ。 幸多の職業は小説家。 肩書きだけは立派だが、実際は売れない作家だった。 生活のためとはいえ、広告の見出しや商品の宣伝文句などを書いて何とか食いつないでいる。 今も幸多は商品の宣伝文句を考えていたのだ。
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