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小鳥の囀りが、朝の訪れを伝える。窓から差し込んでくる温かい太陽の光が、僕を包み込む。
こんなに心地のよい朝はない。
今日は、土曜日。
待ちに待った初デートの日である。
「……健太サン……健太サン」
鏡の前で準備をしていると、タロウが話しかけてきた。
「どうした、タロウ?」
タロウは、ピピピッと目を光らす。
「健太サン、オハヨウゴザイマス」
「おはよう!」
「今日ハ、10月7日土曜日デス」
「そうだね! 清々しい朝だ!」
「亜美チャント、デートノ日デス」
「うんうん! これで髪をセットしたら出掛けるつもり! タロウは留守番よろしくな!」
「健太サン」
「ん?」
「ソレハ、夢デス」
……
……
……
がばっ。
やらかした。
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