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グラスに月を浮かべたら
眩しいくらいの月夜には
カーテンをザザッと開いて
まあるい月をグラスに浮かべてみる
赤褐色に浮かぶ月が揺めき踊るから
グニャリと曲げて飲み干そう
アナタなんて居なくたって
私は幸せなんだから
今度は薔薇色に浮かぶ月が揺れたから
クルクル回して飲み干そう
アナタなんて居なくたって
私は泣いたりしないんだから
『また、そんな強がって』
聴きたくなかった大好きな声に
背中が跳ねたって振り向かないんだから
ねえ アナタが捕まえててよ
『また、そんな強がって』
アナタがもし手を広げたら
その両手の中に黙って飛び込みたいから
あのね
ホントはアナタが居なかったら
私は幸せなんかになれないし
心から笑うことだって出来ないのよ
そんな事、満ちた月に話しかけて
『また、そんな強がって』
帰って来たら
きっとそう言いながらも私を甘やかす
アナタの帰りを
月入りのグラスを味わいながら
ゆっくりと 待つ
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