新月

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新月

指を咥えた 孤独じゃないから そう 自分に言い聞かせようとした 掛けていた眼鏡は外して 想いと共に風に翳す 愛なんてもうなかった だから ……背中に縋り付くなんて出来ずに 泣かないように 泣かないように 笑顔で 貴方を見送ったのに 最後に頬に触れた指先が 今も寂しさに漂い続ける 闇が降りてくる 光の無い時間 独り寝の新月の夜は ギリリと立てて割れた爪と 欠けたグラスに心を見て痛い ああ そうか 今夜が一番暗いのだ 今夜が一番哀しいのだ 次に必ず上る夜の光を信じて 暗い闇の私ごと抱き締めて 孤独を噛み締めながら さあ 眠ろう
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