第1章

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「ロンー!時間がないわよー!」 甲高い声が僕を現実に戻す。 そうだ。僕は今まで、黄昏にフケていたんだ。(昨日、先生から聞いたんだ黄昏にふけるってやつさ) ミンタ村は、周りを湖に囲まれている。 湖の真ん中に、浮き島みたいになった地形だから 物珍しい観光客が良く来るんだ。 内心、僕は見世物じゃないやい!と思っている……… 「コラッ!」 「イテッ! 何だよ、暴力ティンカ!」 いきなり頭を叩いたティンカ(幼なじみの女の子)を睨んで言った。 「何言ってるのよ!ランシティー行きの船が出ちゃうじゃない!」 「うげっ!もうそんな時間かよ!」 「あたしは、とっくに支度したのに。信じらんないわ本当に!」 「わかった、わかったって! 」 つまりはこうだ。 僕は今日、ミンタから湖を渡り、ランシティーという都会に用事があったのだ。 大事な用事があるのに、準備もせずに家の前で黄昏にフケていたんだ。 よくティンカに怒られてるんだ。 「いつも、ボーってしてる!男らしくないわ!」 ってね………
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