1 始まりは災難より

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体がきしむ。 光の眩しさに、アキトは瞳を開いた。 「あれ……天国って、案外いつもの世界と変わらないんだな……」 ぼんやり呟くと、頬に衝撃が走る。 そして、怒鳴り声。 鼓膜が破れるかと思うほどの大きさで、驚いた。 「アキちゃん!! もうっ、心配したんだから!!」 「え、私、死んだんじゃ……」 「区長よ……区長が、助けてくれたの」 「区……長……?」 区長とは、この世界を六つの区域に分け、各区間を納める長のことだ。 寝そべったまま、足音がした方を向くと一人の青年が現れた。 「俺の区域で、自殺志願は御免なんだが?」 あきれた顔の青年。 トキ。 彼が、アキトたちの住んでいる区域の区長。 「どうして、区長が??」 見慣れない部屋に、三人。 体を動かせないまま、アキトが呟いた。 この出会いが、大きな冒険への始まりだった。
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