0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
子供が産まれてからは、自分の為だけにコンビニへ行く事は少なくなっていた。
主にスーパーがメインになっていたから。
急に子供の友達が来る事になった時のお菓子や、たまにアイスを買うぐらい。
なので、純粋に自分達の為だけにカゴをいっぱいにするのがなんだかワクワクして、店に入ってからは棚を眺めながら店内を無駄にウロウロしてしまう。
「一人暮らしの時はいつも来てたのにね。新商品知らないのばっかり」
「あー俺も最近は寄ったとしてもコーヒーばっかだな」
「あっこれ食べてみたい!」
きっとこんなに食べきれない。
わかっていても、お菓子やデザートをカゴに放り込む。
まだ真夏だとというのに、もうおでんが売り始めていてびっくりだ。
そんな風にウキウキと店内をうろついていれば、夫が軟骨を私に渡して来た。
「今日はお譲りしますよ」
私はにっこり微笑んでそれを受け取る。
「ありがとうございます。良かったら次に会えた時アイス奢りますよ」
ブハッと二人で吹き出し、夫が私の持っていたカゴを持ってくれた。
そのカゴへ私はアイスを放り込んだ。
最初のコメントを投稿しよう!