1 サンタクロースが降ってくる町

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「どこに行くの? MOMOテラス?」 「いや、あそこは流行りの服しか売ってないから、伊勢丹でいいだろ」  浮葉が紅茶を飲み干すと立ち上がった。先程浮葉も峯田もビールを飲んでしまったので、電車で京都駅に向かう。  伊勢丹に着くと、紳士服売り場のフロアで浮葉は迷わず、ある店に入っていく。そこにいくつかひっそりと置いてあった福袋の前に立った。 「服のサイズは……」 「見た感じ、浮葉と同じくらいじゃない?」  サンタは童顔なのに浮葉より少し背が高いが、体型はあまり変わらないように見える。 「じゃあ同じサイズで。これを二つ」  買った袋を峯田に持たせ、ものの五分で買い物が終わってしまった。 「男子って、何かを買いに行ったらそれしか見ないよね。浮葉もだけど、麦も帯刀もそうなんだ。いろんなブランドを見て回って、選ぶっていうことをしないんだから。もっとウィンドウショッピングをしようよ。喫茶店でケーキとか食べようよ」  帰ろうとする浮葉を見ながら、峯田はぶつくさとつぶやく。 「そういえば、下着もいるな」  浮葉はそのまま男性下着の店でまた福袋を買おうとする。     
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