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「どこに行くの? MOMOテラス?」
「いや、あそこは流行りの服しか売ってないから、伊勢丹でいいだろ」
浮葉が紅茶を飲み干すと立ち上がった。先程浮葉も峯田もビールを飲んでしまったので、電車で京都駅に向かう。
伊勢丹に着くと、紳士服売り場のフロアで浮葉は迷わず、ある店に入っていく。そこにいくつかひっそりと置いてあった福袋の前に立った。
「服のサイズは……」
「見た感じ、浮葉と同じくらいじゃない?」
サンタは童顔なのに浮葉より少し背が高いが、体型はあまり変わらないように見える。
「じゃあ同じサイズで。これを二つ」
買った袋を峯田に持たせ、ものの五分で買い物が終わってしまった。
「男子って、何かを買いに行ったらそれしか見ないよね。浮葉もだけど、麦も帯刀もそうなんだ。いろんなブランドを見て回って、選ぶっていうことをしないんだから。もっとウィンドウショッピングをしようよ。喫茶店でケーキとか食べようよ」
帰ろうとする浮葉を見ながら、峯田はぶつくさとつぶやく。
「そういえば、下着もいるな」
浮葉はそのまま男性下着の店でまた福袋を買おうとする。
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