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風呂から出ると、浮葉がクローゼットからごっそりと寝具一式を出してきていた。
「同じ部屋だけど、問題ないな? というか、寝られる部屋がここしか空いてないから……」
浮葉はサンタを見て目を点にした。
「寒くないのか。っと思ったけど、そうか、下着は買ったけど、寝る服を買ってなかったな。すまなかった。……まあ、サイズは合うだろうから、これを着て」
そう言って、クローゼットから長Tシャツとルームウェアズボンを出してきた。
「あ、でも、俺寝るときは何も着ない派だから」
「ここではちゃんと着なさい。京都は寒いんだから」
「フィンランドの方が外は寒いよ。けど、そうだな。あっちは暖房効率がいいから、部屋の中で裸でいても気にしないんだけど」
「ここでは気にする」
「そもそも、本当にいいのかな」
「何が?」
「ここに、その、少しかもしれないけど、住ませてもらうことが……」
「恋人がいるのか?」
「俺はいない。俺のことはいいんだ……あなたは?」
「……いないよ」
浮葉の言葉に、しばらく反応がなかった。不思議に思ってサンタを見ると、両手で顔を覆って立ち尽くしている。
「何だ?」
「いや、なんでもない」
そう言う割に、しばらく動かない。浮葉は少し心配になった。
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