2 サンタのするサンタクロース以外の仕事

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「予想通りだけど、午前中は誰も来ませんでしたね。昼は閉めて、みんなでお昼を食べましょう。峯田が何か調達してきてるので」  蚊鳴屋は彼の自宅と店がつながった構造をしていて、店の奥がリビングになっている。といってもそこそこ年季の入った家なので、リビングというよりは「居間」と言った方がしっくりくるかもしれない。  すぐに峯田が三人分のファストフードを買ってきた。 「何でもいいって言ったけど、正月からこれかよ」 「もうお正月は終わったよ。おせち食べ飽きて、そろそろこういうの食べたくなってきたでしょ」 「俺はそうだけど、おまえは正月どうしてたんだ、ちゃんと食べてたのか? むしろ、こういうのばっかりじゃなかったのか?」  峯田は、今はこの蚊鳴屋の家に居候をして暮らしているが、年末年始は一人で暮らしていたらしい。 「やだな、プロなんだからそんな堕落した生活してられないよ。……まあ、そうならないように、浮葉が高級おせちを送ってくれたんだけどね……」 「何のプロなんですか?」  サンタが訊ねると、峯田は 「ぼく、プロレスラーなんだ」  と言ったので面食らった。     
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