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峯田が画像フォルダの中から写真を探しているところで、蚊鳴屋がお茶を淹れて持ってきた。ハンバーガーなのに、何故か緑茶が並べられる。
「帯刀、ぼくの写真どこ?」
「たぶん消した」
「ええっ!」
二人が手を合わせていただきます、と言ったのでサンタも慌てて同じ行動をした。
「ひどいな、容量がいっぱいで過去のものを一式パソコンに移したとかじゃなくて、ぼくのだけ消すなんて!」
「Twitterの広報用だったから、もういらないかと思ったんだ」
「ときどき個人的にながめて笑顔になってほしかったな」
「本人がいくらでも目の前にいるだろ」
「そ、そう? ……えへへ」
……そこは、照れるところ、なのだろうか。
「仲がいいんですね、二人」
「うん、浮葉も合わせて、幼なじみなんだ」
「俺と浮葉さんはそうだけど、おまえは高校からだろ? そんなに幼くないとおもうけどな」
「またそんな細かいことを。でももう出会って十年も経ってるんだから、お互いのことはだいたいわかってるよね」
「そのうち半分くらいおまえ日本にいなかっただろ……」
気が付けば、しゃべっていた峯田と蚊鳴屋の方が先に食べ終わっていた。サンタも慌ててハンバーガーを胃に収める。ハンバーガーの味は、世界中どこでもあまり変わらないのだな、と思った。
「そういえばそもそも」
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