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ログアウト、できない!
わたしはログアウト表示の周辺を見た。メニューはログアウト、お知らせメッセージ、お問い合わせ、この3種類のみ。すごくシンプルだ。
お知らせメッセージはチュートリアルの目次が書いてあるけれど、不具合情報はない。
お問い合わせページを開いてみた。
「あの、ログアウトできないんですけど」
メッセージを吹き込んで、返事を待つことにした。
待っている間にもリアルタイムで時間が流れていくので、わたしはメニューを消すと、人間として何ができるかを考えることにした。
えっと、今日は何月何日だったっけ?
部屋の中を見回したら、テーブルの上に新聞があった。手に取って日付をチェック。
・・・なるほど、こうやって毎日の日付をチェックするんだ、人間って。
【重要】夕食を3人分作ること。
あ、メガネの中に重要マーク、また出た。
ログアウトできないから、食事は人間として食べなさいということかな。そういえば3人家族でした・・・でもって、わたし、主婦というジョブが割り当てられてたんでした、はい。
重要マークが出ているメモを見ると、買い物リストが書いてある。買い物に行けということかな?
わたしは、目を閉じて自分の記憶を確かめてみた。今までの記憶は、脳の中にストックされているから、忘れていなければ思い出せるはず。
記憶によると、今日の買い物は午前中に終了していて、食材は冷蔵庫に入っている。あとは料理するだけだ。
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