畳まれたパジャマ

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畳まれたパジャマ

 午後8時。  閉園間際の遊園地のチケット売り場に私達はいた。 「11月22日、本日のみ有効です。あと1時間で閉園ですが、よろしいでしょうか?」  私達は「はい」と答えると、夜の遊園地へ入った。 「綺麗だね」  夜の遊園地を彩る電飾は、まるで宝石のようだった。 「そうだな」  私達の中身はまだ入れ替わったまま。 「俺、反省した。主婦って大変なんだな」 「私も。私じゃ嘉人の仕事は出来ないって痛感した。改めて尊敬したよ」 「これからはちゃんと協力する。話もちゃんとする」 「私も。嘉人を支える為にもっと頑張るよ」  その時、冬の夜空に大きな光の花が咲いた。 「もう1度誓うよ。どんな時も奏音を愛す。死ぬまで尽くす」 「私も……誓います」  私達は光に彩られた空を仰ぎ見た。  その瞬間、再び眩い光が辺りを包み込んだ。  だが、周りの人達には見えていないようだった。  ――佐伯嘉人、佐伯奏音。その誓い、今度こそ守るのだぞ。  一際明るい光の中に仏顔の神様が浮かんでいた。 「誓います!」 「誓います!」  ――よろしい。これからは更に愛を深めるのだぞ。サラバだ!  そして、私達の奇妙な体験は終わった。
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