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たたみかける
◇
あれから家に帰ってきた。
もう仕事もない。
家賃だって払っていかなきゃならない。掃除だって洗濯だってやらなきゃならない。
お金…稼がなきゃ生活できない。
でももう大好きな仕事は出来ない。
この業界にいたって、仕事はもらえないだろう。
無実の罪は、警察に罰せられるのだろうか。
それとも、私1人に押しつけてすべて丸く収まったって事なのだろうか。
なんにもしてないのに。
水を飲もうとあけた冷蔵庫には、1本のペットボトルとレタスだけが入っていた。
なにこれ…全然女子じゃない冷蔵庫。。。
買い出し?
も悩む。だってこれからお金減っていくだけだもん。なにをどれだけ買えば、毎日家にいる人にとって丁度良いのかわからない。電気代だってかかるし。
こうなると、どれだけ仕事仕事の毎日だったのかと気がつけた。
趣味とかやって、ちょっと没頭してみようかな。なんて考えはすぐに打ち消される。
趣味…って…何?
趣味=デザイン
だった。
仕事じゃん。
何にも残ってないのか私。
ボーッとするだけで時間はどんどん過ぎていく。
今はそれしか出来ることがなかった。
ピンポーン
昔ながらの呼び鈴が鳴る。
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