ボロボロ

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頭からかぶっていた上着が、手から離れそうなほどぶわっとふいた突風に持って行かれそうになり思わず足を止めた。 急に強くなんないでよ…もう 思わず止めてしまった足。張り詰めていた気分がふっと抜けて、フラッとお店の軒下へ移動した。 これはもう電車乗れないかな。 大通りではクラクションが鳴り響いていて、ヘッドライトがとてもまぶしく感じた時だった。 ん? そのお店の建物の角と隣の建物の間の狭い路地?っていうのかな。路地とも言えないようなホントただの隙間みたいな所に、なにか大きな塊が置いてあるのを見つけた。 ゴミだったらこんなところには置かないだろうし。 鞄とかにしては大きいし。 ヘッドライトの灯りがなくなると、暗闇の塊で、余計になんだかわからない。 よくわからないけど、すごく気になる。 好奇心というのは、どんなに疲れていてもムクムクとわき上がってしまうらしい。 そうだ携帯! 携帯のライトをつけて、塊の方を照らしてみた。 んん? い…ぬ? かなり大きな犬のような気がする。 こんな大きさの動物って、犬しかいないとおもうんだけど… 丸まってるの? しっぽも顔も見えない。 『こんなとこにいたら、つかまっちゃうよ…』 ピクッ 声に反応するかのように、耳がピクッとした。 生きてる。 よかった。 こんな雨の中丸まってかわいそうに…     
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