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「佐倉さん、今ちょっといいかな。さっきの、顧客サポートセンターから回ってきた、システムエラーの件なんだけど」
「あ、はい」華美の声がわずかに高くなった。
「調べたら、申し込みデータが一定時間おきに集計される仕様になっていてさ。残り枠が正確に反映される前に、定員越えの申し込みが受け付けされてしまったみたいなんだ。
とりあえず、運営部に定員オーバー分の受け入れが可能か確認してみようと思う。それで、結果を受けてから、直接お客様に電話入れようかなって」
「あ、電話入れならわたしが引き継ぎます。東京の運営部なら昔繋がりもありましたし。顧客サポートセンターにも用事があって、ちょうどあとで行こうと思っていたところなので」
「じゃあ、お願いしてもいいかな。なんかごめんね、最近仕事を任せてばかりになってしまって」
「いえ……。わたしも、顧客管理課に来て半年だし、そろそろ仕事の幅を増やしていかないといけないなって思っていたので」
「そっか。じゃあ僕は開発元に連絡を入れて、トラブル報告と対策の起案しておく。もし何かあったら内線回してくれれば対応するから」
「わかりました」
華美はさっそく仕事に取り掛かるのか、有紗に軽く頭を下げてからすぐに自席に戻った。
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