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(綺麗な人だなあ。もし、あれくらい細かったらなあ)
振り返って、有紗は心の中で呟いた。すると、その声が聴こえたかのようなタイミングで、女性が振り返った。隣に並んで歩いていた友人らしき数人も次々と振り返り、有紗に視線を送ってきた。
女性たちはすぐに顔を前に向けて歩き始めたが、有紗の頭の中には聴こえもしないはずの、悪い囁きがぐるぐると回っていた。
脚が太いのにスカートを履いているのがみっともなく見えるのだろうか。それとも、太っているのに洋菓子店の袋をふたつも持って、食いしん坊のように見えたのだろうか。
(こんなのいつものことだ。大丈夫、気にしない)
有紗はぎゅっと唇を横に結んだ。
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