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「このお店ね、アフタヌーンティーがすごく良さそうなの。生ハムとカマンベールのサンドウィッチと、自家製のスコーンが美味しいみたいなんだけど、紅茶と一緒に出てくるサブレが密かに気になってて」
「わたし、佐倉さんと全く同じこと思ってました。実はこのカフェ知ってて、あ、でもまだ行ったことないんですけどずっと気になっていて。すごい偶然です」華美が言い終えるのを待ちかねたせいか、早口になる。
「うそ、本当に? わたし実は、坂巻さんから聞いたんだよね。この話」
「あ……、じゃあ発信元はわたしだったのかもしれません。実は少し前、坂巻さんにそのカフェの話したんです。坂巻さん好きかなあって思って。すみません、佐倉さんと同じお店気にしてたのかと思ったら興奮しちゃって」
何か勘繰られてしまうかと思ったが、華美はそんな様子も見せずに微笑んだ。
「そっかあ、綿貫さんのおすすめって分かったら、ちょっと納得」
「そうですか?」
「なんかね、ずいぶんかわいい造りのお店だなって思ってて。お客さん女の子多そうだし、いつも坂巻さんが行くカフェとも雰囲気違うし、不思議だったんだよね」
「たしかに、男の人ほとんどいないかもしれません。これじゃあすすめられても困っちゃいますよね。どうしよう、そういうことまで気が回りませんでした!」有紗は肩を落とす。
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