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『hanamina:綿貫さんから、名言が出ました。「美味しいものは、それを好きな人みんなで食べたほうが絶対に、もっと美味しくなる」って』
送信後にそのメッセージを見せられて、有紗の頬が熱くなる。これではまるで食いしん坊のようだ。もちろん、それも間違ってはいないのだが。
二人でそのまま反応を待つ。ややあってモニターにポップアップが表示される。
『Smaki:同感。次の機会にお邪魔します。神長』
「神長さん!」
有紗と華美は同時に声を上げた。華美はスマートフォンを有紗に押し付けてきた。返事を打て、ということだろう。
『hanamina:ぜひぜひ! みんなでたくさん食べましょうb^^d!綿貫』
半ばやけっぱちのメッセージに『はい』と、簡単な返答だけが送られてくる。それでも、神長がどんな表情でメッセージを読んだのかが想像できて、有紗の口元が緩む。『Ren』に対しての親近感が、神長をより身近に感じさせるのかもしれなかった。
心が温かくなるような幸せを感じながら、有紗はスマートフォンを返した。
「ねえ、綿貫さん。カフェに行く日の夜、ちょっと欲張りだけどまた、新宿のレストランいかない? レシピもらえるところ」
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