「勝手に憧れて、恋して。ただ、それだけ、なんだけど。」

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天気快晴、目覚めもよく、気分上々。 ぼくのつまらない日常でも、たまに、あがる日がある。そんな日だった。いつもの電車に乗って、つぎつぎと通過する景色たちを窓から漠然と眺めていた。各駅停車の通過駅には、ごちゃごちゃと、人の列ができていた。 いつもならとりとめもなく駅を通過していたはずが、一人の女性に目が惹きつけられた。 長い髪が風で、ふわふわっと揺れ、スカートがひらひらっと舞っていた。 その一瞬は、まるで映画のワンシーンを観ているかのように、一瞬がスローモーションのように、世の中を遅延させていた。
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