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まぁー… ぶっちゃっけ嘘なんですけどね。
落ちこぼれ…?毒にも薬にもならない…?上等じゃないですか!ゲームの中の私もといルイ・アクラスは魔法が きっかけで断罪フラグ一直線でした。それ即ち、魔法さえ使わなければ回避できるかもしれない、ということ――‥ 。
だから、私は魔法を使えるにも関わらずこれまで人前で使ったことがありません。
いえ、人の目のあるところで魔法を使わないことを徹底してきました。
その結果、
良いのか悪いのか… 。
魔力が無い『役立たずの落ちこぼれ』というレッテルが貼られました。
しかし、人というのは随分と勝手なものですね。私が魔法を使えることを公言すればアクラス家の一員として畏怖の目で見るくせに、魔法が使えないと勝手に解釈すると、今度は『役立たずの落ちこぼれ』というレッテルを勝手に貼り、あげく侮蔑の目で見てくる…
本当に彼らは勝手なものです。
まぁ、敢えて否定せず魔法が使えることを公言しなかった私にも批はありますが。
しかし、
ここまで思い通りに不名誉な噂が認知されると、いっそのこと笑みが浮かびます。おっと、いけませんね… つい、口元が緩んでしまいました。複雑な感情は否めませんが、それに対する悲しみは一切ないですね。
あるとすればそれは‥ 『悲しみ』というより寧ろ、噂に惑わされ中身を見ようとせず、見たものだけを鵜呑みにするそんな彼らに対する『憐れみ』の目を向けていることでしょうか。
そもそも、前世の姉と元恋人の件 + 今の両親と自分が置かれてる環境を考えれば――‥
それで人間不信にならないほうがおかしいでしょう?そう思いませんか?
───…ねぇ、神様?
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