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…そういえば、
『王都フィル』の名前の由来はこの国の守護精霊が光と闇の精霊とかで、陽を司る光の精霊王ジン、陰の世界を司る闇の精霊王フィル… そのうちの一つ、闇の精霊王の名前から取ったらしいですよ?
精霊とか魔法が存在する時点でさすがファンタジーだな、と思いつつ、微動だにしない子供たちに視線を向ける。周りの街の人間は明らかな敵意と侮蔑の目を向けてきているけれど、
泉で水遊びして遊んでいた子供たちは――‥
『……もしかして見えてる?』
『ないない。だって、今じゃ精霊が視れる人間なんて滅多にいないじゃん』
『でも、ほらこっち見てる!』
『気のせいだって』
そう、悲しきことかな――‥。私には精霊が視えるんです。でもって、泉で水遊びしていた子供たちは水の精霊たち。
しかも、
『あーーっ!ほら、やっぱり!彼、ルイ・アクラスだよ!!』
『え?こいつが… あの、ルイ・アクラス?』
なぜか、精霊たちにまで私の名前が知れ渡っているってどういうことですかね!?いや、ほんと、これ何フラグ!?って思うでしょう!
魔法は確かに使えます。
しかし、魔法が使えるのと、精霊が視えるのではまた話が違ってきます。だから、この国では… 否、この世界では魔法を使えるも精霊の姿を視る力が無くて、精霊を見たことがない魔法使いもザラにいます。
それ、即ち。
両方とも備わっていることが公になれば、もちろん悪用される可能性もあるし、断罪フラグ一直線に違いありません!!
っていうか、それ以前によっぽど魔法に優れていなければ視ることが出来ないはずなんですが何故なんでしょうか。。っていうか、よりによってなぜ私なんですか!?そんな設定、ゲームの『ルイ・アクラス』にはなかったはず。
……まぁ、私が『ルイ・アクラス』に転生している時点で、ゲームの ルイ・アクラスではなくなってますからね。これが… 所謂、ゲームの『強制力』というものなんでしょうか。意地でも、本来の辿るべきルートに戻そうと、そういうことなんでしょうか?
しかし、私とて、生きているんです。
命が掛かってるんです!!!←ここ、重要。
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