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序章
篝火の 紅蓮の炎 一欠片
散りゆく天に 忍ぶ想ひを
昔、
咲かない筈の季節に花開いた
紅の花ありけり
火の聖霊がそれを見つけ、
木の聖霊がその力を与え給うた。
故にその紅き花は
炎の欠片のように艶やかに燃え咲き誇り、
天寿を全うした。
紅き炎の花は火の聖霊に一目見て惹かれた。
火の聖霊は木の聖霊と愛し合っていた。
されどそれは…許されぬ恋。
炎の花は、火の聖霊のお役に立ちたい。
切に、切に願った…。
紅蓮の炎が地に群がりし時。
火の聖霊は篝火となりて独り忍ぶ…。
風の乙女によって後の人々に伝わるは
『想思花伝説』
そう呼ばれていく…
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