序章

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序章

篝火(かがりび)の 紅蓮の炎 一欠片(ひとかけら) 散りゆく(そら)に 忍ぶ想ひを 昔、 咲かない筈の季節に花開いた (くれない)の花ありけり 火の聖霊がそれを見つけ、 木の聖霊がその力を与え給うた。 故にその(あか)き花は 炎の欠片のように艶やかに燃え咲き誇り、 天寿を全うした。 紅き炎の花は火の聖霊に一目見て惹かれた。 火の聖霊は木の聖霊と愛し合っていた。 されどそれは…許されぬ恋。 炎の花は、火の聖霊のお役に立ちたい。 切に、切に願った…。 紅蓮の炎が地に群がりし時。 火の聖霊は篝火となりて独り忍ぶ…。 風の乙女によって後の人々に伝わるは 『想思花(そうしばな)伝説』 そう呼ばれていく… image=507569011.jpg
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