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「そうですよね、ごめんなさい…」
───必ず夢を叶えてくれる魔女の占い師がいる
そんなネットの情報だけを頼りにして、まさか現実に存在するとは、しかも魔女はまだ子供ときている。
「それで?」
「はい?」
「『はい?』じゃありませんわ。貴女の夢と、占ってほしいことは?」
くつくつ、と燕尾服の男が忍び笑いをした。忍べてはいなくとも。
「あの、私18歳で、今片思いしている人がいるんですけれど、どうしても彼とお付き合いしたいんです…ううんっ、ずっと独り占めしたい!それが夢です──」
クロエは眼帯の無い方の片眉をぴくんと上げた。
「なんですの、またよ、またこれ」
どうやら不機嫌になったらしく、「アンドロ・マリウ ス」と燕尾服の男を呼んだ。
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