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「ヘキサグラムでいいわね…」
素早くカードをカットし、三つに分けて、それをまた一つにまとめた。
それからあっと言う間に、六芳星の形に並べる。
それを一枚一枚、細い指でめくって行く。
ワインレッドのネイルカラーが何故か印象的だった。
「theタワー。ダメですわね。その彼のことは諦めになったほうがよろしくてよ」
あまりにもハッキリ良くない結果を聞かされて、くるみは面食らった。
「そんな、彼じゃなきゃ…」
ローズヒップティーのカップを口に当てながら、クロエは鼻で溜め息をつく。
「安心なさって、周囲の位置に、theワールド。最高の恋人候補が近くにいらっしゃいましてよ?」
「嫌です!!どうしても彼じゃなきゃっ、彼じゃなきゃ、いや…」
ついに泣きだしたくるみに、クロエは今度は口で大きな溜め息をついた。
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