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それからバタバタ始まった授業参観
日向は一切頭を上げずに自分の殻に篭っているようで、周りもみず冬也達の事も気付いてないようであった
『で…で…では、…保護者の方は子供さんの横に席を用意しているので、席についてあげてください』
冬也は監梛の肩を軽く叩くと監梛は軽く頷き日向のもとへ向かった
『ねぇねぇ!あの美人な人誰の隣に座るのかな?』
『あたしの隣に来てくれないかなー』
『俺も仲良くなりたいなー』
『⁈⁈⁈⁈』
『日向ちゃん⁈⁈』
監梛は日向の側に近寄り、日向の肩に手を置いた
日向はビクッと体を震わせ、上にある監梛の顔をみた
監梛『日向ちゃん?』
日向は一瞬目を見開いて監梛を見たが、ハッとしてノートを机に隠した
監梛にははっきり見えていた
グチャグチャにされた日向のノート
沢山の悪口を書かれバリバリに破かれたノート
監梛は日向の頭を軽く撫でると優しく微笑み、すぐに周りをみた
監梛『……誰?』
『『『…?…』』』
監梛『あたしの大事な妹を虐めてるのは誰?』
『あ…あの…日向ちゃんのお姉さん…?』
監梛『…馴れ馴れしく話しかけないで』
『…ひ……』
監梛の顔は今までにない程…凛々しく真っ直ぐ周りを見て怒りを露わにしていた
冬也でさえ、監梛から目を離すことが出来ず、言葉が出せなかった
監梛『あたしの大切な妹に手を出す事、あたしは絶対許さない。これ以上、日向に何かしたら…あたしは貴方達に何するか分からない。』
教室は静まりかえり、誰も声が出せずにいた
監梛『いい?よく聞いて。人を傷つけるのは簡単よ。でもね、人を傷つけるって事はそれだけ、自分も傷つけてるの。人の傷はすぐには治せない。もちろん、自分自身の傷も。だから、止めることが出来ないの。止めちゃったら自分も傷だらけって分かっちゃうから。傷だらけで次の一歩踏み出す勇気が持てないから。でも、もし貴方達がその勇気が持ちたいなら、一歩前に踏み出したいならあたしは貴方達を全力で応援する。貴方達がして来たことは決して許される事じゃない。だけど、貴方達がまた後戻りしないように、あたしは全力で止めてあげる。…あたしはその為にここに来たの』
日向は泣いていた
少しすると
ガタッ
『日向ちゃん!ごめん!』
『ごめん…』
『…ごめんね…』
クラス中の子が立ち上がり泣いて日向に駆け寄った
『…あ…あの…』
その光景をおどおどしながら見る先生
監梛『…あなた。それでも先生なの?生徒の問題に目を背けて。恥ずかしくない?あたしは貴方を許さない。』
『な…なんなんだお前は!!だかか芸能人かぶれの…
ガシッ……
『…え?』
『…よ。先生。久しぶりだなぁ。』
冬也『⁈⁈』
『…な、な、何で君が⁈⁈』
『うちの妹に お前 呼ばわりは良くないねぇー。黙ってみてりゃぁつけ上がりやがって』
『…い…妹⁈⁈』
輝『…ぶっ殺すぞ…』
『ひぃぃぃ』
輝は他の人には聞こえないように耳元で囁くと、担任を引きずって行った
すると、すぐに校長が入ってきた
『お騒がせして、申し訳ありません。ご確認の通り、このクラスでは長い間イジメがありました。それを止めることが出来なかった事、学校として責任があります。…よって、担任は今日で辞めて頂き、急ではありますが今日から新しい先生を着任させたく思います。』
少しの間、無言の教室だったが、少しすると他の保護者からは拍手が起こり
何もなかったように授業が続けられた
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