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「えっと…………まずはにんにく、ネギ、生姜を刻みます！」
私はスマホを操作して、麻婆豆腐を作る動画を再生しながらセリフを復唱した。
「…………材料だけメモして、喋り方変えないとさすがにまずいかな？」
手近にあった紙に、材料と手順をメモしていく。
それから、何度も材料手順を読み返して、材料を並べて道具を準備した。
「リョウジ！撮影お願い！」
「え～…………今から？」
めんどくさそうに欠伸をしながら頭を掻いてやって来るリョウジ。
「ちゃんと、あげるから！」
昨日、交換条件として言われていたポテトチップの期間限定品を指先で摘まんで揺らす。
「しゃあないなぁ…………」
リョウジが差し出した手に、私のスマホを乗せた。
「後は撮影開始のボタンを押すだけにしてるからよろしくね！」
「は～い。」
初めての動画撮影。
私は、緊張しながら姿勢を正した。
今日やるのは公開とかをするものではない、試しだ。
麻婆豆腐を作るところを撮ってみて、自分のオリジナルを色々撮影する時の参考にするのだ。
「良いか？よーい…………スタート。」
私は声を張り上げて、説明をしながら、料理を開始した。
「────これで、完成です！では、早速食べてみましょう！」
私は立ったまま、スマホの方をチラリと見てから食べ始めた。
ん…………？
「しょっぱ辛～い！」
私は、思わず呻いた。
「何！このしょっぱさと激辛！」
私は撮影されてることも忘れて、近くにあった茶碗に水を汲んで何度もがぶ飲みした。
「ちゃんと作ったのに、これはないよ！」
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