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私は舌を出して冷凍庫から出した氷を乗せたり、相当取り乱した。
しばらくして、やっと少し落ち着いてから撮影中だった事を思い出して、リョウジの方を見る。
リョウジは、撮影を続けながら残った材料のところを指差した。
よく見ていくと、豆板醤だと思っていたものがハバネロに、砂糖だと思っていたものが塩に変わっていたのだ。
「ちょっと、リョウジ!撮影中止!中止!」
私はリョウジのところに行って、腕を捕らえてからスマホを掴んだ。
「何だよ~、すごく面白かったのに~」
「余計なところは撮影しなくて良いのよ!もう、上手くいってた部分確認したら消すし!」
それを聞いて、リョウジがニヤリと笑った気がした。
私はむくれながら自分の部屋に戻った。
片付けは後にして、先にどんな風に撮れてるのかの確認だ。
…………ダメなところはたくさん見つかった。
照明が足りなくて薄暗いことや、リョウジが持って撮影していたから手ぶれがひどいことや、もっとアップじゃないと何やってるか分からない部分が多いことなど…………
とりあえず、直すところがたくさんある。
私はスマホを放って大きな溜め息を吐いた。
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