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奥のテーブルで、女をめぐって争いが起こっていた。
どちらの男も、この辺では珍しい生身の女を、酒場の二階にある部屋に連れ込もうと必死なのだ。
一歩も引かない男達はやがてナイフを持ち出し、死体と共にテーブルは静かになった。
隣のテーブルでは男達が、何事もなかったかのように偽造酒を飲んでいる。
カードをする客、すぐさま別のテーブルに移る女。
テーブルの下では女が、太もものナイフホルダーにそれを戻していた。
死体に騒ぐ客などまったくいない。
床に転がった男に群がり、食い物と交換できるものはないかと物色する少年達。
腕時計、財布。上着を脱がそうとしている男までいる。
これが毎日続く日常。
「首がつながってる三人のオヤジとか、ここでの取引とか、ちょっとルピナス、あんたいったいどうゆう風の吹き回し!?」
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