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「優希、キスってしたことある?」 「馬鹿にするな。キスくらいあるさ」  なんとなく気恥ずかしい心地になってきた二人は、わざとそうやって言葉を交わした。  そうこうするうちに男たちは素早く服を脱ぐ。髭の男は赤と白の派手なスポーツビキニを身に着けたまま。色白の男は淡い色合いのサーフパンツを穿いていたが、こちらはさっさと脱いで全裸になってしまった。  そして髭男は、何とした事かビキニの横から超極太の陰茎を掴み出し、色白男に舐めさせ始めたのだ! 「え!?」 「こんなことまで!?」  というか、のっけから、コレ!?  優希と要人は、いきなり眼の前に突き付けられた光景に、息を呑んだ。まさかまさか、男同士でフェラチオとは! 「気持ち悪くないのかな」 「平気そうだぞ」  色白男は、まるで味わうかのように髭男のペニスを舐めまわしている。しかし、これで興奮しだす間もなく、すぐに二人は横になって結合を開始した。  極太に透明な液体・ローションがひねり出され、そそり立った硬そうなソレが仰向けで大きく脚を開いた色白男のアナルにずぶずぶ挿れられていく。  挿入るのか、アレが! あの小さな肛門の中に!?   喘ぎ、というより小さな悲鳴があがり、その表情は快楽とはいいがたい苦悶の顔つきをしている。すぐに髭男は細かく腰を動かし始め、色白男はその間中自分で自分の陰茎を扱いている。  画面を覗き込みながら、優希と要人は口々に感想を言いあった。 「すごいな……痛そうだ」 「うっわ、こんなふうにするんだ」 「君がさっき、僕にやろうとしたことだよ」 「それはそうだけど」  まさか、こんなに生々しいとは!  延々と続く二人の男のセックスは、画面が切り替わり、カメラアングルが変わり、ロングからアップへと転じたり。  髭男も考えながら突いているのか、時にはゆっくり抜き差ししたり、体を深く曲げて密着させて細かく動いたりと忙しい。  色白男の漏らす声は、あくまで控えめで苦しげに切羽詰っている。静かな中、肌の触れ合う肉の音や、ぬちゅぬちゅと粘っこい体液の音がこれでもかとまで拾ってある。  ふいに屋外ロケらしく、遠くに救急車のサイレンの音が聞こえたりして、そういう時には優希も要人も笑ったが、互いの笑い声をどこか別のところで聞いているようだった。  すっかり動画にはまってしまい、この先一体どうなるのかが気になって仕方がないのだ。
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