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寝室からふらふらと這い出した優希と要人は、テーブルについて飲み物や軽食で気を紛らわせた。
次第に妙な空気は薄れ、日常の話や子どもの時分の思い出を語る頃にはもういい時刻になっていた。
「そろそろ……寝ようか?」
要人が、ぎこちなく優希に持ちかける。
う、と思いつつ、優希も平静を装って、そうだな、などと返事をする。
歯を磨き、パジャマに着替え、さて、と寝室へ入る優希。そして、当然のようについてくる要人。
優希の心臓はばくばくと高鳴り、手には変な汗をかいていた。
要人は、やはり僕を受け身にまわしてくるだろう。そして、先程見た動画のように……アレを……僕の内に……。
なんだか、気が遠くなりそうだ。
生きた心地もしないまま、優希はベッドに入った。その横に、要人も潜り込んでくる。しばらく、二人で動かない時間が過ぎた。
要人、このまま眠ってくれないか!?
もぞり、と要人が動いた。優希はどきりと身を固くして、今から始まるであろう羞恥の儀式に身構えた。
だが、要人の腕はこちらへとは伸びて来なかった。ベッドサイドを探り、いくつかのボタンを操作するかすかな音がした。
「優希、天井を見て」
「え?」
暗い、何も見えない天井。じっと目を凝らすうちに、ひとつ、またひとつと小さな瞬く光が現れ始めた。やがてそれらの小さな光は無数の星々となって、全天を飾り上げた。
「う……わぁ……」
「すごいだろ?」
まさか、寝室にプラネタリウムを造っているなんて!
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