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 時間が経つと星座は巡り、冬のタウラスから春のレオへと変わる。夏のスコーピオンを経て、秋のピスケスに移る。  時折流れ星がすうっとそれらの星座を横切り、その度に二人で指差して教え合う。そんな事をしていると、ぽつりと要人が優希に向かって一言話した。 「優希。手を、握ってもいい?」  いいよ、と答えると、そっと静かに要人の手のひらが優希の手に触れた。要人の手はいつのまにか大きく、指も太くなっており、その表面を覆う皮も硬くしっかりとした男のそれになっていた。 「今夜は、これでもう寝よう」 「うん」  プラネタリウムは投影したまま、要人は眼を閉じた。優希の手のぬくもりを感じながら、静かに眼を閉じた。  焦るのはよそう。ゆっくり時間をかけて、優希と自然に結ばれることを待とう。  あぁ、子どもの頃もこうやって、手をつないだまま眠ったことがあったっけ。  優希もきっと、同じことを考えているに違いない。 「優希……、もう寝た?」 「うん」 「寝てないじゃないか」  くすくすと笑いながら、そんな事を互いに繰り返しながらいつの間にか眠りに落ちた。  星座は巡り、星々の瞬きは二人に安らかな夢を与えた。
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