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「い…てええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
大人げなく叫ぶと俺は頬を両手で覆い、床の上を右に左へとゴロゴロ転がった。
え?まじ?この女…ビンタしやがった!
余りにも唐突な攻撃に脳がついていけず幼稚な表現しかでてこない。エラー表示で脳内掲示板を征服されてる気分だ。この場にふさわしい単語を検索できず、ただただ数年ぶりに味わう痛みの対処法を求めるばかりだった。
「…最低。」
俺が痛がるのを完全に無視し、女はそう呟いた。なんとか韓国くらいまで吹き飛ばされた平常心を無理やり戻し、右手で体を起こす。じんじんと針でプスプス刺された痛みがひかず、左手は叩かれた頬から離れられずにいた。
足なんか完全にオネェ座りになっている。
女は俺を叩いた手をぐっと握りしめた。平手の次は拳がくるのか?と今までに感じたことがない恐怖に襲われている俺は反射的に
「ひっ!?」と体を強張らせ、自由な右腕で身構えた。
そんな俺をゴミを見るかのような…いや比喩ではない。完全にゴミを見る目で女は
「さようなら。」と言い、そそくさに立ち上がると鞄を取って部屋から出ていった。
「……いやここ…お前の部屋なんだけど。」
部屋主が出ていった部屋に俺一人、ポツン。
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