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「…おい。」
「悪い!悪い!でもお前がそんな目に合うなんて思ってもみなかったぜ。」
謝意のない詫びをいれると、再び横尾は笑い出した。
くそ…こんなことになるなんて簡単に想像できたはずなのに。
頬の痛みのせいで頭が冴えず、軽はずみな行動をした過去の俺を殴りたい。
「まぁ…でもよぉ俺は少し安心したぜ。」
「はぁ?」
さんざん笑って疲れたのか、横尾が急に話を変えてきた。
「だってお前も女でトラブルんだぜ?俺絶対お前はそういうのと無縁だと思ってたからよ!いやぁ良かった!」
良かねぇよ。
お前俺を血も心もない冷淡人間だと思ってないか?今でも週刊誌の続きの気になる作品は一通り目を通してるほどには少年心を残している。
ただ人との関わりには少し退屈を感じている。基本無表情で無関心。
皆が集まって楽しんでいても、それを遠くからぼけぇっと見続ける。
皆が集まって怒っていても、体力の無駄だと白を切る。
皆が集まって泣いていても、きっしょ としか感じない。
そんな冷めた奴ごまんといるだろ?俺はそのone of themでしかない。
そして横尾はそんな変わり者の俺にまとわりつく、one of 変わり者だ。
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