プロローグは短めに

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「…」 何してんだ俺? 何してんだこいつ? 二つの問が瞬時に脳裏に浮かんだ。迂闊すぎた。いきなり知らない奴から缶コーヒーを貰ってんじゃねえよ。貧乏性か。いきなり知らない奴に缶コーヒーあげてんじゃねえよ。聖クリス症か。 「ああごめんね。さっきからこっちの方じろじろ見るから何かなって思って…」 俺が何かを言う前にそいつは語りだした。帽子を深く被っているから顔がよく見れない。体系は少し小柄で大学生というよりかは田舎の中学生が初めて東京遊び行くから頑張りました!って感じのちょっと都会を意識しているような服装ーーつまりはっきり言って子どもだ。 「最初は僕のことかなって思ったんだ。ほら僕って背が低いからよく中学生だと間違えらるんだ。でももしかしたら自販機の隣に立ってたから、もしかして飲み物欲しいんじゃないのかなって。」 聞いてもないのにこちらの疑惑を否定する。まあ確かに大学は地元の人でも使えるように開放してるから高校生とか学食でよく見かけるから中学生が一人くらいいてもおかしくはない。ただいきなりため口で話しかけたりしてきたので同じ年なのか?と一瞬思っただけでさほど気にしてはいない。 「あぁいきなりため口で話したからか!ごめんごめん!よくこれで揉めたりするんだけど、どうしても敬語で話すの苦手でさ~。」 そりゃあ年下にいきなりため口で呼ばれたらイラってもするだろうな。世の中ーー 「なんでお前俺と会話が成立するんだよ。」
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