いけないと分かっていても

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「余計な時間が多くて、色々思い出したり、考えたり。そうしたら夢見が悪いんだ。そこにオリーブが隣で寝るんだもん…人恋しくなっちゃったんだよ」  言ったら心配されるだろうし、重いのは分かってる。でもやっぱり、まだ痛むから知らんぷりも完全にはできない。突然夜中に飛び起きる事だってある。そうなると一晩、もう一度寝るのが怖くなってしまうんだ。  気遣わしい目がこちらを見て、ふと近づいて背中を叩かれた。だから、その甘やかし方は天然なの? もう一度襲うよ? 「苦しい時は付き合うから、普通に声をかけてくれればいいんだ。話して落ち着けば、ちゃんと寝られるだろ」 「…んっ」  正論でこられた。でもそういうところ、オリーブらしいのかもしれない。 「とりあえず、もうこういうのは無しな」 「分かってる」 「じゃ、俺は寝るから」 「泊まってかないの?」 「流石にない」 「だよね……」  寂しいなって言ったら、やっぱり困るんだろうか。  出ていったオリーブの背中を見送って、ランバートは息をつく。そうして寝転がる布団にはまだ残り香があって、ふと笑った。少なくとも今日だけは、このまま眠れる気がした。 END
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