いけないと分かっていても

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いけないと分かっていても

 何所にあるのか定かではない、とある作品に登場するキャラ達の憩いの場。一階は休憩室兼酒場となっているが、二階には簡易宿泊所も併設されている。  ここにほぼ入り浸りのランバートは、今日も友人オリーブと楽しく飲んだ。  ワインボトルを数本空けた所で多少酔いが回っていたが、まだ飲めると更に深酒をしてしまった。体が火照るような感覚に切り上げようとした時には、双方共に足元が危うかった。 「オリーブ、もう少しで部屋だからちゃんと歩いてよ」 「歩いてる」  結果的に言えば、二人とも足元が危うい。フラフラと階段を上りきり、一番手前の部屋に転がり込む。ここがランバートの使っている部屋だ。  オリーブをベッドの上に座らせると、直ぐにゴロンと横になってしまう。それほど広くはないベッドを半分以上独占されてしまった。 「ちょっと、ここ俺の部屋だからね。ちゃんと自分の部屋戻って」 「今日はここでいい」 「よくないって」  ここにはベッドとテーブルセットしかなくて、ラグもない。当然ソファーもないのだ。ベッドを独占されたら何所で寝ればいい。  だからと言って他の部屋で寝る気がしない。せっかく慣れて居心地が良い場所なんだから。     
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