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「もぉ、いいよ。狭くても怒んないでよ」
酔いが回ってきたのもあって面倒になった。ランバートは手早く上着などを脱いで靴を脱ぎ、オリーブの靴も脱がせると完全にベッドに入れてしまう。そして自分も灯りを落として隣に寝転んだ。
口では悪態をついたが、本当はこの体温が嬉しかったりもする。戦いの中にあれば余計な事を思わなくてすんだが、最近はそれも一段落ついて余計な時間が出来ていた。そのせいか、夢見が悪いのだ。
「あったか…」
自分より少し高い体温に寄り添っていられるのは落ち着く。狭くてくっついているから余計にだ。最近少し寒くなったし。
何よりオリーブはこんな事をしてもあまり怒らない。最近は口説かれてるのかと思うくらいに距離が近くなった。
無自覚なんだよね、きっと。
弱い部分に痛みがある時、甘えたい気持ちがある時、オリーブはそれを真剣に受け止めてくれようとする。そういうの、ずるいと思うんだ。心に空いた穴を覆ってくれるようで、思わず欲しくなる。
これがファウスト様なら全く違う。あの人、甘えさせてはくれない。厳しいんだ、色々。
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